朝日の時事英語

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英語学習コラム(Asahi Weekly)

《英語学習コラム〜Asahi Weeklyから》
2008.04.17
ストの英語活用術
森勇作(英語教育コンサルタント)

短文穴埋め問題

 前号でセンター試験、英検、TOEICを国内で受験する延べ人数を約446万人とご紹介しましたが、その内訳は次の通りです。(2006年度の受験者数を参考)
 ・センター試験約50万人
 ・英検約244万人
 ・TOEIC約152万人(日本国内)

 センター試験では受験者の年齢層が限定されますが、英検は5級から1級まで7段階(準2級、準1級を含む)に分かれているため幅広い年齢層が受験します。また、TOEIC受験者の多くは大学生以上なので、国内では受験者数が英検に比べて少ないものの、世界中で年間に約450万人が受験します。

 それでは、今回から3つの試験に共通して出題される問題形式である「短文穴埋め問題」を取り上げていきましょう。

【短文穴埋め問題】

 「短文穴埋め問題」は、3つの試験で次のように扱われています。それぞれ2007年に実施された問題を参照しました。
 センター試験:筆記試験 200点満点中の22点を占める
 英検(2級):筆記試験 45点満点中の20点を占める
 英検(準1級):筆記試験 65点満点中の25点を占める
 TOEIC筆記試験:100問中の 40問を占める(配点は不明)

 このように「短文穴埋め問題」は英語試験で重要な位置を占めていることが分かります。では早速、実力試しに英検の過去問題10問に挑戦してください。

【英検過去問題2006年度第1回】

 次の(1)から(10)までの( )に入れるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4の中から一つ選びなさい。

(1) A: Turn down that music! You’re going to ( ) the neighbors.
  B: OK, I’m sorry. I’ll use the headphones.
1. entertain 2. impress 3. tempt 4. disturb

(2) Joe’s mother was waiting with ( ) at the airport to meet Joe and her new grandson.
1. persuasion 2. representation 3. anticipation 4. illustration

(3) Jim is no longer friends with Sara because he found out that she had been complaining about him behind his ( ).
1. face 2. back 3. hand 4. ear

(4) Bob was disappointed with the results of his geography test. He thought that he could have done better if he ( ) more time.
1. had been given 2. had given 3. has been given 4. was to give

(5) Ryan’s computer stopped working on Friday, so he took it to a computer store to get it ( ).
1. fixed 2. fixing 3. fix 4. be fixed

(6) We may encounter strong ( ) during the flight, so please keep your seat belt fastened when you are seated.
1. affection 2. inspection 3. turbulence 4. interference

(7) To the delight of local environmentalists, Bridlington town council has ( ) plans to build a public car park near a local nature reserve.
1. surrounded 2. scrapped 3. snatched 4. scribbled

(8) Before ( ) on a career in medicine, it is important to remember that it takes years of hard work to gain the necessary qualifications.
1. prevailing 2. intruding 3. relaying 4. embarking

(9) OK, everyone. Thanks for coming. I know you’re all busy, so let’s ( ) business. First of all, I’d like your opinions on our rival’s plans to expand sportscar production.
1. look out for 2. get down to 3. put up with 4. move in with

(10) Bill really enjoyed his new job at the hospital as it allowed him to ( ) his experience working at a retirement home.
1. draw on 2. pull out 3. roll up 4. lay off

【正解と実力診断】

 次の正解と解説を参考に実力診断をしてください。

 (1) 正解4: 単語力問題です。文の内容から空所には「迷惑をかける、困らせる」の意味を持つ動詞が入ることが分かります。

 (2) 正解3: 単語力問題です。anticipation「予想、期待」の意味。従ってwith anticipationで期待を胸にしている様子を表します。

 (3) 正解2: 熟語力問題です。behind one’s back 「内緒で」の意味。

 (4) 正解1: 仮定法の問題です。過去の事実に反する話をしていることからhad + p.p. (過去分詞) の形が空所に入ることが分かります。すると選択肢1と2に絞られます。文意より彼は時間を与えられることが明らかなので受動態の1が正解となります。

 (5) 正解1: get はS+V+O+C の形を作ることができます。OとCの関係を考えると、「it=computer は修理される」という具合に受け身の関係になるためfixed を選ばなければなりません。またOとCが能動の関係になっている場合は通常to不定詞をとります。

 (6) 正解3: 単語力問題です。turbulence「乱気流」の意味。

 (7) 正解2: 単語力問題です。文の内容を理解し、さらに選択肢の単語の意味を知らないと正解にたどり着けません。scrap「廃止する」の意味。

 (8) 正解4: 単語力問題です。embark「乗船する、着手する」の意味。

 (9) 正解2: 熟語力問題です。get down to…「・・・に本腰を入れて取り掛かる」の意味。

 (10) 正解1: 熟語力問題です。draw on「(経験、知識等を) 利用する」の意味。

 いかがでしたか? 実はこの10問には、ある仕掛けが施されていました。(1) 〜 (5) は2006年度第1回の英検2級過去問で、(6)〜(10)は同年度第1回の英検準1級過去問でした。従って(6) 以降の問題を難しいと感じた方が多いことでしょう。では、ここで英検の各級の目安を紹介します。

 1級: 大学上級程度/ 準1級: 大学中級程度/ 2級: 高校卒業程度/ 準2級: 高校中級程度/ 3級: 中学卒業程度/ 4級: 中学中級程度/ 5級: 中学初級程度
( 日本英語検定協会ホームページwww.eiken.or.jpより引用)

 従って上記の練習問題は、高校卒業程度と大学中級程度を組み合わせたものでした。皆さんの自己診断レベルはどの程度だったでしょうか?

【出題背景と学習方法】

 上記の練習問題で分かるように短文穴埋め形式の問題は、1)単語力を問う問題、2)熟語力を問う問題、3)文法力を問う問題の3種類で構成されています。ちなみに2006年度第1回の英検2級と準1級の短文穴埋め形式の問題を見ると、次のような割合で構成されていました。

 2級: 文法問題15%、単語問題50%、熟語問題35%
 準1級: 文法問題0%、単語問題80%、熟語問題20%
 意外にも文法問題の割合が低いことが分かります。

 では、「英検において文法力は問われないのか?」という疑問が生じます。誤解しないでいただきたいのは、短文穴埋め形式の問題で文法力を重視しないだけであって、他の問題形式では文法力が試されます。2級では並び替え英作が5問出題され、準1級では100語程度の英作文が出題されます。

 以上のことから、英検の短文穴埋め形式の問題では、中学初級(5級)から大学上級(1級)まで、それぞれのレベルに応じた語彙(い)力を段階的に習得して欲しいという出題の意図が読み取れます。

 英検の問題は各級ごとに難易度が異なるので、自分のレベルを認識して問題を解きながら自己診断を繰り返すことができます。学習教材には、英検の過去問が6回分収録されている問題集がお勧めです。できれば2つの級の問題集を購入して試すと面白いのですが、1冊に絞りたい方には日本英語検定協会ホームページを訪れることをお勧めします。1級から5級まで全ての問題が1回分見ることができるので、問題集を買う前に、そして英検を受験する前にチェックしてみると有効です。

(Asahi Weekly, January 20, 2008より)

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