読んでから聴け!ジャズ100名盤:ジャズ・ストリート

読んでから聴け!ジャズ100名盤

12月13日に朝日新聞社から発売される「読んでから聴け!ジャズ100名盤」で紹介されているアルバム100点を紹介します。 一部アルバムの購入ページ、ダウンロードページへのリンク付きです。

名盤は、過去ではなく、未来の出会い

一般に「ジャズはむずかしい」といわれるが、ジャンルとしてとらえている限り、それは当然だろうと思う。すでにジャズを聴いている人たちでさえ、「ジャズならなんでも聴く」「どんなジャズでも好き」ということがありえないように、特定のミュージシャンやグループを聴き、その周辺へと興味の対象を広げていく。これが一般的なパターンだろうと思う。

しかし、問題は、自分の好きなミュージシャンであれ、アルバムであれ、出会う前には「それ」がわからず、出会ったあとに「これだった」とわかることであり、よってジャズ初心者とは、出会うべきミュージシャンやアルバムに出会っていない、いまだ旅の途上にいる人たちということができる。

そして、その旅の途上で、せっかく歩いてきた道を引き返す人が多いのは、なかなか目的地(好みのミュージシャン)を決めることができず、ただただ歩きつづけることに疲れを覚えたからだろうと思う。いわばジャズに挫折した人たちは、泳ぎ方を覚えるまえに"ジャンル"という大海に飛び込み、当然のことながら、溺れるような思いをし、もがき苦しみ、去っていく。

その泳ぎ方、いいかえれば、好きなミュージシャンに出会うための水先案内人として、この本は存在している。対象としたミュージシャンの総数は88名、アルバム点数は100枚。そして100枚のアルバムの多くは、いわゆる歴史的名盤と称されるものが選ばれている。

これからジャズを聴いてみようと考えているジャズ・ビギナーの方たちには、どうか、本書に掲載されているミュージシャンとそのアルバムを聴いていただきたいと思う。そして、自分の直感として、「これだ!」という瞬間が訪れるまで、どうか、「いい・わるい」といった根拠のない感想や、原因が自分の耳にあるにもかかわらず音楽に罪をなすりつけるかのような「すき・きらい」という一過性の感情は、横に置いてほしいと思う。

一方、マニアの方々には、「耳タコだよ」というまえに、改めて、これらの名盤を聴いていただければと願う。新たな、そして以前には味わったことのない感動が、そこにあると確信する。

そして、最後に、こういわせていただこう。

歴史的名盤とは、過去の再生や再現やノスタルジーではなく、ビギナーにとってもマニアにとっても、これから起きる未来の出来事や出会いとしてありつづける。

なんてすばらしいことだろう。

中山康樹(同書まえがきより抜粋)

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著者:中山康樹&ジャズ・ストリート

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